2011年7月12日火曜日

第8回セミナー参加者の方からコメントをいただきました

第8回セミナーを受講された方から、下記のようなコメントをメールでいただきました。たいへん興味深い内容でしたので、ご本人の許諾のもと、紹介させていただきます。

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(セミナーに参加して)やはり、「動かない物」の商品デザインと「体験させる」ゲームデザインは性質上違いが大きすぎるのではないかと思いました。

たとえローカリゼーションマップが死ぬほどの数があったとしても、実はゲームソフトのローカライズにはあまり有効に使えないかと・・・

コンテキストの概念は大事ですが、静的デザインレベルでは理解できてもゲームコンテンツはやはり翻訳のみでしか参考にならないと思いました。つまり、翻訳者そのものの仕事になり、ゲームのグローバライズには無理でしょう~少なくとも日本人のみで構成されたスタッフ、とくにディレクターが純粋な日本人であれば・・・。

よく直面する、コンテキストの問題はやはり、日本人の手振りと外国人の手振り。イベントシーンではどっちに合わせる? とかよくディレクターともめます。
大体、外国人の手振りに合わせることに・・・理由は、そのキャラは見た目外人っぽいから(アニメっぽくても)。

あと、ドアですね、押して空けるのか、引いて空けるのか。日本と欧米で逆なので・・・。

で、やはりゲーム内のキャラと背景(コンテキスト)はSFであっても外人っぽいので、欧米に合わせてもらうとか・・・。

つまり、なんか工業商品デザインで解くコンテキストとはまったく違っており、作り手が理解していないところで外国人に違和感を与える。最近はシナリオのレビューを翻訳者やローカライズスタッフでして「違和感」さを最小限にすることはしていますが、さすがにマップが日本地域に基づいているのは、そこは日本のままで通したりします~。

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実は第8回セミナーの2日前に、講師の安西さん、中林さんが主催されている、ローカリゼーションマップの勉強会に僕が呼ばれまして、相互講師としてゲーム業界のローカリゼーションの現状と課題について、ご紹介させていただきました。

その時も安西さんから「ゲームの場合は世界同時発売が重要で、そこが他の製品とは違うところだと感じた」というコメントをいただきました。

ゲームとゲーム以外の商品で、ローカライズにおける共通点と相違点は何か。もっと議論を積み重ねていければと思います。

2 件のコメント:

  1. そういえば「トイ・ウォーズ」というMMOシューティングの韓国→日本ローカライズの取材記事を書いたのを思い出しました。
    http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0211&f=column_0211_012.shtml

    http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0315&f=column_0315_006.shtml

    消費スタイルの違いを踏まえてのローカライズ事例ですが、コンテキストの変換という意味でも、捉えられるかもしれません。。。

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  2. 安西です。

    ご紹介ありがとうございます。

    コメントを拝見しました。ローカリゼーションマップは製品文化を通じて地域文化を理解するのが目的です。あのダイアグラムは一つの例です。ゲームにはゲームの軸を設定することが大切です。ローカリゼーションマップは考え方であり、あのツールで結果を出そうというものではありません。

    そのあたりの意図をセミナーでご説明したつもりですが、まだ伝えきれていなかったのは、申しわけありません。今月出る書籍をお読みいただき、理解を深めていただければ嬉しいです。

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